2014年12月19日

棒を振る人生

遅番につき、本を読む。
遅番の唯一の良い点は、本をゆっくり読めること。
本日は、佐渡裕さんの「棒を振る人生」を読む。

佐渡さんは、以前から何となく名前は知っていたが、きちんとどういう人か分かったのは、「題名のない音楽会」の司会をされるようになってからだ。

「題名のない音楽会」は、黛敏郎さん亡き後、司会も企画も迷走した感があり、羽田健太郎さんで落ち着いたと思った所が、羽田さんも亡くなってしまった。

佐渡さんが司会になって、クラシック音楽も肩肘張らずに、色々な角度から音楽を楽しむ、昔の「題名のない音楽会」の志が甦ったように思う。

「棒を振る人生」は、佐渡さんの少年時代から現在に至るまでの、音楽と人との係わりについて語られている。
バーンスタインやカラヤンのエピソードを交えながら、佐渡さんの人柄がよく分かる内容になっている。

最終的な違いを生むのは、芸術にしても、スポーツにしても、ビジネスにしても、“人柄”だという事を再認識させられた。

ありきたりだが、

「芸は人なり」

棒を振る人生 指揮者は時間を彫刻する PHP新書 -
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2014年10月05日

急遽日直

先週、事件があったので、今日は急遽、日直をする。
台風が近付いているせいもあり、人が少ない。
机回りに積み重なった書類を整理する。

久し振りに「ダーリンは外国人」1巻と2巻を読み、「会社が正論すぎて、働きたくなくなる」と「西の窓辺へお行きなさい」を読む。

細井智彦さんの「会社が正論すぎて、働きたくなくなる」は、あまりにも自分の職場が当てはまり過ぎて、働きたくなくなる。
というか、随分前からやる気はない。

武田鉄也さんの「西の窓辺へお行きなさい」は、テレビなどで拝見する武田鉄也さん同様、軽妙な語り口で、苦も無く読ませてくれる。
しかし、ただ軽妙なだけでなく、言葉の面白さ、文章の巧みさが嫌味なく感じられて、真の教養の高さがうかがえる。

自分は、海援隊の歌も大好きだし、「幸せの黄色いハンカチ」の頃から俳優:武田鉄也を愛しているし、金八先生は本当に自分の担任であったかのように心の中に生きている。

この「西の窓辺へお行きなさい」では、武田鉄也さんの仕事への姿勢も知る事が出来て興味深い。
歌手としても、役者としても、色々な意味で表現者として凄い人だ。



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2014年09月09日

最近の面白かった本

遅番であるのに、残り頁が少ない本を2冊しか持って来なかった。

コロッケさんの「マネる技術」を読む。
ものまねの世界でトップに立つ人も、自分と同じような事を考えているのだと嬉しくなる。

福岡伸一さんの「動的平衡」も、今まで漠然と感じていた事を、明確な文章で説明され、スッキリした気分になる。
ただ、「動的平衡」が「生きていること」と捉えると、「死」や「病気」に対して、また違った恐怖を覚える。

最近、生物や性差、社会心理学みたいな書籍を読んでいた続きで、竹内久美子さんが訳された「女より男の給料が高いわけ」を読む。
これも、今まで何となく感じていた事を、はっきりと説明してくれる所に爽快感がある。
竹内さんも巻末の解説で語っていたが、本書の言葉を借りて、世のフェミニズム(本質的には女性差別主義者)を論破したい気分だ。

本は読み始めると、次から次へと類書が読みたくなり、キリが無くなる。






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2014年08月07日

指からわかる男の能力と病

遅番につき、竹内久美子さんの「指からわかる男の能力と病」を読む。

竹内久美子さんは、1991年に出版された「そんなバカな!」で注目され、その後も類書を多く出されている。
自分も初めて読んだ竹内久美子さんの著作は、「そんなバカな!」だった。
以来、動物の生態やDNAといった視点から語られる、人間の行動に関する考察は、いつも興味深い。

今回は、薬指に対する人差し指の比率によって、才能を発揮する男であるか、どのような病気にかかりやすいかなどが分かるという話。
女の人には、その傾向が見られないという、これまた面白い話。

竹内さんの文章は、所々にユーモアが散りばめられ、日常的に関心がある現象を扱っていて、とても読みやすい。
通常、最近の新書は2時間位で読むが、この「指からわかる男の能力と病」は、1時間位で読んでしまった。

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2014年07月31日

学び続ける力

遅番につき、読書する。

池上彰さんの「学び続ける力」を一気に読む。
当たり前の事だけれども、「分かりやすく説明する」或いは「文章にする」というのは、とても難しい。
この本でも、「理系の専門家が文系の人々に分かる言葉で説明するには」というような話が出て来るが、自分が肉体化する程に馴染んだ事柄を、全く知らない人に説明するのは至難の業だ。

分かりやすく説明するという事にかけては誰もが認める池上彰さんが、これまた分かりやすい文章で、学ぶことの意義について語ってくれるのが本書だ。

どのようにして“分かりやすい池上彰”が出来上がって来たのかを窺い知れる、自伝的なエピソードも語られており、やっぱり面白く分かりやすい。

本当に面白過ぎて、あっという間に読んでしまった。

学び続ける力 [ 池上彰 ] - 楽天ブックス
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2014年07月07日

眠れる美女

川端康成の短篇を探していたが、題名を忘れてしまい、とりあえず図書館でそれらしい作品が収載されている全集を借りる。

本当に、何でもメモを取っておかないと駄目だ。

結局、借りた全集の中には、目当ての作品は無かったが、以前から読みたいと思っていた「眠れる美女」があったので、読む。

「眠れる美女」は海外でも映画化されていたり、川端康成の短篇の中でも有名な作品だ。
ヨーロッパあたりで、日本文学に関する著述があると、よく目にするのが三島由紀夫と川端康成、特にこの「眠れる美女」に関するものが多い気がする。

確かに読んでみると、映像化したくなる小説だ。

主人公の江口老人が訪ねる秘密の家での出来事と、過去の記憶または夢、妄想、幻覚のようなエピソードが入れ代り語られ、短篇である事が分かっているだけに、小説としてどう決着を付けるのかがサスペンスだった。

しかしそこは、さすがの川端康成で、最後は必要最小限の語りで、こちらに色々な想いを喚起させるような余韻を残して終わる。

それから、さすがだなと思わせるのは、川端康成の文章だ。
自分などは、どうしても読み手に確実に伝わって欲しいという、俗っぽい思いがあるので、無難な文章を書いてしまう。
しかし川端は、例えば「眠れる美女」の中の一文で、「〜江口老人をきゅうにははなれなかった。」などと書いている。
自分だったら、「〜江口老人を、急には離れなかった。」と書いてしまうと思う。

句読点をどこに置くか、漢字にするか平仮名で書くか、川端に深い意図があったかは分からないが、自分だったら無難な文章になってしまうだろうと思う。
「〜きゅうにははなれなかった。」と書けるのは、余程自信があるのか、読者を信頼しているのか、いずれにしても、その表現が小説全体にある雰囲気を与えているのは確かだ。

さすが、川端康成。



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2014年06月30日

ホンのひととき

本日、当直につき、色々と本を持って行くが、中江有里さんの「ホンのひととき」が面白く、読み入ってしまう。

中江有里さんといえば、我々の世代には、“アイドル”というイメージが強い。
ただ彼女は、他のアイドルの娘達とは、少し違う雰囲気を持っていた。
その理由が、この「ホンのひととき」や、成人してからの「週刊ブックレビュー」に出演していた姿を見ると、よく分かる。
彼女は、他人を押し退けてでも前に出たいというタイプではなくて、どちらかというと内向的で、ひとりで空想を楽しむような人らしい。
アイドル時代から、確かにおとなしそうで、見ているこちらが、「この娘、大丈夫かな」と心配になるような感じだった。

「ホンのひととき」には、そんな彼女の子供時代の話から、最近の日常生活での事が書かれていて、さり気ないのだけれど、しっかりとした彼女の人柄がよく分かる。

道端の花にも大きな物語を感じてしまうような所は、自分と全く同じだ。
子供時代の話や、脚本家になりたい話なども、まるで自分の事を書かれているようだ。
おこがましいけれども、「やっぱり自分もあっち側の人間なんだな」と、自分を納得させるかのように思う。


ホンのひととき 終わらない読書 -
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2014年06月12日

もう一度天気待ち

遅番につき、野上照代さんの「もう一度天気待ち」を読む。
映画関係の本は、面白くて一気に読んでしまう。
特に、映画全盛時代の話は、戦後の高度経済成長の頃の日本の勢いが感じられて、その時代に生まれていない自分にも懐かしさを覚える。
撮影後の宴会の様子や、ヒロポンを打ちながら5日も6日も徹夜で撮影していた事など、今となっては遠い外国の話のようだ。
確かに日本は経済的には豊かになって、様々な生活スタイルも選べる、世界でもトップクラスの先進国だ。

が、然し…。

人間は不思議な生き物で、きちんと労働者としての権利を守られた中で仕事をするのと、ヒロポンを打ちながら徹夜するような劣悪な労働環境で狂騒の毎日を過ごすのと、どちらに生き甲斐を感じるかといえば、後者のような気がする。

極限の状況の中で恍惚を感じる、天国と地獄は扉一枚。

そのような時代を、記録係として超一流の映画人を見て来た、野上照代さんは幸福な人だなと、平凡な庶民の自分は思ってしまった。

もう一度天気待ち [ 野上照代 ] - 楽天ブックス
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2014年06月03日

カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」

本日、遅番。
明日が返却日なので、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」を一気に読む。

1ヶ月程前、蜷川幸雄:演出、多部未華子:主演の舞台を観て原作が読みたくなり、図書館で探したところ、蔵書があったので早速借りた。
内容が重いので、体力と精神力に余裕がないと読む事が出来ず、2回目の返却期限も迫って来てしまった。

舞台のイメージが強く残っているので、「キャシー」や「ルース」の物語が、グレーのセーラー服を着た「八尋」と「鈴」として、自分の脳内スクリーンに映写される。
原作を読んでから舞台を観たら、また違った印象を持ったのかもしれないが、舞台と原作は違和感なく、というか舞台での感動を、原作の細かい描写が掛け算となり、より深い想いにさせられる。

歳を重ねる事は素晴らしいと思うのは、こういう時だ。

今までの様々な記憶や印象が積み重なって、若い時であれば分からなかったであろう感動が得られる。
舞台版「わたしを離さないで」も、若い頃であれば、この作品の持つ深い部分での良さが分からなかっただろう。
実際、隣で観ていた子供達は、少し難しかったという感想だった。

今まで生きてきた中で触れた、映画や演劇、音楽、書籍、絵画、その他の色々な芸術表現や、日常生活での出来事が積み重なって感じられる事、得られる感動がある。

そういう瞬間に出逢えた時、大人になって良かったと思う。
「わたしを離さないで」の舞台は、正に生涯に一度あるかないかの瞬間だった。


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2014年06月02日

きりひと讃歌

入浴中、不図「きりひと讃歌」を読みたくなった。
風呂上りに、窓辺で涼みながら、本棚に手を伸ばす。

この時期の手塚治虫は、「バンパイア」や「アラバスター」など、グロテスクな表現が目立つ。
ちょうど虫プロダクションが大変な時期で、手塚治虫自身が精神的に病んでいたと聞いた事がある。
「きりひと讃歌」も同様に猟奇的な描写が見られるが、医学界の権力構造や、人種差別、偏見といったテーマを浮き上がらせる為に、ある程度の効果があったように感ずる。

手塚治虫は、本当に凄い。
どの作品を読んでも面白いし、この「きりひと讃歌」のような、スケールの大きな骨太の漫画を描ける人は、後にも先にも出て来ないだろう。

今、我が家の娘は、「ブラックジャック」や「火の鳥」を一心不乱に読んでいる。
娘は、「ブッダ」も面白いと言う。
父である自分は、「ブッダ」の面白さは、大人になってから漸く分かったのに…。

手塚治虫と同時代に生きられて、リアルタイムに作品を読む事が出来た我々は、幸せだったと思う。

きりひと讃歌(1) [ 手塚治虫 ] - 楽天ブックス
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